Q30: ハンド式ファイバレーザ溶接の弱点

 

YAGより効率の良いファイバレーザ溶接にも弱点がある

ズバリ、以下の2点が弱点だと言える。

 

1.人間が操作するには細すぎるビーム径

 

2.溶接機としては高すぎる価格

 

■ 細すぎるビーム径が原因の弱点とは?

 

YAGレーザと比較して、ファイバレーザの焦点径は約1/10以下です。

レーザ溶接において焦点位置は重要であり、0.1mm以下の照射位置を

人間が制御するのは困難である。

 

・隙間と焦点が重なった場合に、理想の溶接が難しい

 

・溶接位置と溶接結果がシビアになってしまう

 

 

例えば隙間があった場合も同じく、0.1mm以下の焦点を0.3mmの隙間に

当たると溶接は行われないことがあります。

 

YAGを使っていたユーザが最新式のファイバレーザ溶接機を使うと

意外に使いにくいな?と、言う方々が多いのはこれに原因があります。

 

 

ではどうするか? スイング方式で解決!

スイング機能とは?

 

レーザ光の焦点を高速で左右に動かし高品質な溶接を可能にする

ファイバレーザと相性が良い方式。

 

ハンドにもコストの安いスイング機能を取り入れてみました。

※ 精密加工用のレーザでは実績があり、既に一般的な技術なのです。

 

 

                 

   ※ ワークのすき間から、細いレーザ光がすり抜けてしまう!

 

スイング機能は色々なメリットを発生させます!
特徴

YAGの焦点径

  ≒ 500μ前後

 

ファイバの焦点径

  ≒ 50μ前後

 

ファイバハンドの焦点は

YAGより10倍以上細い 

 

スイング機能で問題解決

 

 

隙間に対して

 

 

溶接形状に対して

 

            ←スイング機能の調整でこの範囲を網羅可能→

 

なぜスパッターを抑制できるか?

光りを【個体】、金属を【液体】に例えてイメージ図を作成してみました。

 

固定物(レーザ光)を水面に落下させると水しぶきが発生します。

これをスパッタと考えてみてください。

 

金属も溶融時には液状化するので、なるべくピークパワーは抑えたい。

 

※ ピークパワーは高い場所になればなるほど溶け込み深さを得られるが、衝突ダメージも

  大きく、スパッターを多く発生させるのでなるべく低いのが望ましい!

 

ファイバレーザの細く鋭い光りはスイングとの相乗効果で色々な弱点を克服!

 

 

 

溶接の安定性と美しい仕上がりを実現!
溶け込み深さが安定することもスイングのメリットです。

溶接速度に影響することは間違えありませんが、スイングの有りの方が

扱い易くなります。

 

 

■ 溶け込み深さと出力   

 

500W 機・・・3mm   

  → 3mm以上の深さを希望の場合は1,500W

  → アルミ等の高反射材料の加工にも1,500W機

 

※ 個人技量に寄ります。SUS材 速度5mm/sec時の定値速度の場合

 

 

やはり人間が扱う以上はある程度の練習が必要

TIG溶接と比較すると容易なレーザ溶接ではあるが、溶接時に一定の速度を保つ必要が

あります。

人間が走査すると、どうしても瞬間停止してしまうことは避けられません。

 

 

スイング機能が人間の不安定さをフォローします!

 

新提案! 扱いやすいファイバレーザ溶接機 UW-SHシリーズ

TIGやアーク溶接の置き換えに!

スイング機能を搭載したUW-SHシリーズは3つのメリットがあります。

 

 1.隙間に強い!

 2.スパッターが少ない!

 3.安定した溶け込み深さ!

 

500Wクラスは、1,000万円を下回る価格も魅力の一つです!

    (別途、AC200V、不活性ガス、輸送、現地調整費は別途必要となります)

 

お客様で用意する物: 三相 AC200V + 設置場所 + ガスボンベ(不活性ガス)

 

 

 

 

 

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